「AIを入れると、結局いくらかかるの?」

さいたま市の中小企業の社長さんから、よく聞かれることです。

調べてみると、月に数千円という話もあれば、数百万円という話も出てきます。幅が広すぎて、自分の会社の場合がいくらなのか分からない。ここで手が止まっている会社は少なくありません。

この記事では、中小企業が生成AIを導入するときの費用を、「何にお金を払うのか」で3つに分けて、それぞれの目安を書きます。うちの料金も、そのまま載せます。


AI導入の費用は、3つに分けると見えてくる

中小企業のAI導入でかかるお金は、だいたい次の3つです。

3つ全部が要るわけではありません。どれにお金をかけるかは、会社が何をしたいかで変わります。費用の幅が広く見えるのは、この3つが混ざったまま語られているからです。


1つ目:道具代は「誰が契約するか」で3つに分かれる

ChatGPT、Claude、Geminiは、どれも無料で試せます。仕事で使うときの有料版は、個人で契約するもの、会社でまとめて契約するもの、大企業向けのエンタープライズの3つに分かれます。料金は2026年9月時点のものです。

個人向けのプラン:1人 月3,000円前後

1人か2人で始めるなら、これで足ります。気をつけたいのは、入力した内容の扱いです。個人向けのプランは、サービスごとの設定しだいで、たとえば Claude Pro は、設定で学習への利用を断る形になっています。仕事で使うなら、最初に設定を確かめて、学習に使わない側にしておきます。

会社向けのプラン(ChatGPT Business・Claude Team):1人 月3,000円前後から

1人あたりの料金は、個人向けとあまり変わりません。違うのは、会社の道具として持てることです。

社員が3人、5人と使い始めるなら、会社向けのプランにそろえておくと後が楽です。

エンタープライズ:大企業向け

Claude Enterprise の場合、会社向けのプランに、誰がいつ何をしたかの記録、データを残しておく期間の設定、社員ごとの細かい権限の分け方などが加わります。選ぶ目安は人数より、こうした管理が要るかどうかです。社内の決まりでそこまでの管理を求められていなければ、10〜30名の会社は会社向けのプランで足ります。

すでに Google Workspace や Microsoft 365 を使っている会社は

メールや表計算に Google Workspace や Microsoft 365 を使っているなら、そこに付いているAIから始める手もあります。

新しく契約を増やさずに試せるので、社内の手続きが少なくて済みます。

20人の会社で借りると、いくらになるか

ChatGPT Business(1人 月3,050円・年払い)で計算すると、こうなります。

最初から全員分を借りる必要はありません。どの作業に使うかが決まった人から契約して、使う人が増えたら足していけば十分です。

料金やプランの中身は変わることがあります。契約の前に、各社の料金ページで確かめてください。

道具を契約しても、使う作業が決まっていなければ定着しません。道具代だけで止まっている会社は、お金ではなく使いどころで止まっています(AI導入は何から?に詳しく書きました)。


2つ目:教わる・一緒に作る費用(研修・伴走)

AI研修・伴走の費用は、社員の方がAIを使って、自分の会社の作業を楽にできるようになるまで一緒に進めるための費用です。うちの教育プランは、こうしています。

お金を払っているのは、講義を聞く時間ではありません。社員の方が1本作りきるまで、横について一緒に進める時間です。

実例:Excelが使える程度の担当者さんが、見積・請求書のアプリを自分で作った

研修をした会社で、プログラミングの経験がまったくない担当者さんが、見積書と請求書を作るアプリを自分で作りました。使ったのは、話しかけながらアプリを作れるAIの道具「Claude Code」です。こちらは作り方を伝えただけで、手を動かしたのは担当者さん本人です。

自分で作った人が社内にいると、「ここをこう変えたい」が社内で片づきます。次に楽にしたい作業にも、自分で手を伸ばせる。研修の費用は、この「2本目から先」まで含めて見るものです。


3つ目:作ってもらう費用(開発代行)

こちらでAIを使って業務アプリを作り、お渡しする場合の費用です。うちの代行プランの目安はこうです(税別)。

期間は目安2〜4週間(機能が多いものはご相談)。納品後1ヶ月は修正に対応します。作ったアプリの月額利用料はかかりません。

業務アプリの外注は高い、という印象を持っている社長さんは多いです。1つの作業に絞ったアプリなら、この価格帯で作れます。外注の見積もりが高くなりやすい理由は、業務アプリの外注見積が80万円。これって普通?と思ったときに読む話に書いています。

実例:勤怠管理の月末集計が、8時間から15分に

さいたま市内の中小企業で、出退勤をスマホから記録できる勤怠管理のアプリを作りました。月末に担当者さんがExcelで集計していた作業が、出てきた数字を確かめるだけになりました。毎月8時間ほどかかっていたのが、15分ほどで終わります。


見落としやすいのは、社内の人の時間

見積もりに出てこない費用が、もう1つあります。社内の人の時間です。

どちらも、ゼロにはなりません。ここを見込んでおかないと、忙しい月に後回しになりがちです。

最初の1つを、担当者さんが毎月我慢してやっている作業にすると、この時間を取ってもらいやすくなります。本人にとって、楽になる先が見えているからです。


元が取れるかは、今かかっている時間で見る

費用を見るときは、今その作業に毎月どれだけ時間がかかっているかと並べます。

勤怠の例なら、毎月8時間が15分になりました。毎月7時間45分が戻ってきて、それが毎月続きます。担当者さんの時給をかければ、1年でいくら分の時間になるかが出せます。

数字にしにくいものもあります。社長が「締めの数字、まだ?」と確認しなくてよくなる。集計のやり方が1人の頭の中だけにある状態ではなくなり、人が替わっても回る。こちらも、時間と同じくらい大きいです。


どれにお金をかけるかは、「次も社内で作りたいか」で決まる

3つのうち、どれから始めるかの目安です。

うちがおすすめしているのは、研修・伴走です。作って渡すだけでも会社は楽になります。ただ、作れる人が社内に1人いると、楽になる作業が1つで終わりません。1本ごとに外へ頼む費用も、待つ時間もかからなくなります。

最初から全部を決める必要はありません。今いちばん時間を取られている作業を1つ挙げてもらえれば、3つのどれが合うかは、そこから決まります。